さて、閻魔市シリーズ3回目の今回は、市民プラザ前の様子をご紹介する。

閻魔市で賑わう通りに面した市民プラザの正面のスペースは、主に柏崎市の物産や観光アピールの場として活用されている。

まず目に付くのが「鯛めし」ののぼりだ。柏崎は米どころでもあるが、もう一つ、海の町という顔も持っている。農業と並んで、昔から漁業も盛んだったのだ。とりわけ笠島沖は鯛の産卵場となっていて、日本海沿岸における鯛の水上げ高は柏崎がトップクラス。この鯛と、越後のうまい米が合体すれば「鯛めし」だ。

そして「鯛茶漬け」。店ごとに様々な工夫が凝らされた茶漬けが楽しめるが、最近は「全国ご当地どんぶり選手権」にエントリーするためのレシピに基づいた“その年の味”を、複数の店で提供する企画なども行われている。
ま、私はヴィーガンなので、自分では食べないんだけどね…(^_^;

こちらは海のサイダー「鯨泉」(げいせん)の紹介ブース。ほんのり潮味、不思議な爽やかさのサイダーだ。柏崎は日本海側における海水浴場発祥の地。かつて海水浴というのは、とてもハイカラな行楽だった。そんな柏崎の歴史とも結びついた、海の町のご当地サイダー。「鯨泉」の名は鯨波海岸に由来する。

米どころは酒どころ。柏崎にはいくつもの酒蔵があるが、こちらは創業文化11年、「越の誉」の原酒造が作っている発泡性純米酒「あわっしゅ」の紹介ブース。

試飲もOK。私はバイクで来ていたので、買って帰って家で飲んだ。グラスに注ぐと爽やかな香り。口に含むときめ細やかな優しい泡がシュワッ。サラッとした甘味に程よい酸味が加わった、軽快な純米酒。これはいける。もちろん冷やして飲む。夏が待ち遠しくなるような酒だ。

夏の花火大会も柏崎の呼び物の一つ。十号玉と書かれているのが一尺サイズの、いわゆる尺玉。柏崎ではこれを数百発連続で打ち上げる。市制60周年の時は、60にちなんで、なんと600連発をやってのけたのだから壮観だ。
閑話休題。
福井には、原発を地場産業と言った政治家がいる。原発が動かないと町が寂れるのだそうだ。しかし同じ原発城下町の柏崎を見ろ。世界最大の出力規模の原発を抱えながら、原発以外の力に満ちているではないか。むしろ農林漁業や自然の恵みを生かした産業や観光は、原発がない方が発展していく。福井だって本当はそうに違いない。
原発を無くしてこそ発展していく地域振興のビジョン。それを、福井をはじめとする全国の原発所在自治体の皆さんと共に考えていきたい。そんな願いも込めて、もう1~2回、閻魔市のリポートを続けてみたい。